Pointはり・きゅう治療院では、施術メニューの一つに筋膜リリースがあります。
筋膜リリースとは、体内にある様々な組織を包む筋膜と呼ばれる膜が何らかの原因で固まったものを癒着といい、その癒着を取り除き、正しい状態に戻す施術です。
その筋膜が癒着してしまうのには様々な原因があります。
ストレス、慢性疲労、長時間の同じ姿勢、筋肉痛、スポーツ障害などなど。軽いものでは、寝ていても癒着は起きてしまいます。
筋膜リリースは、その癒着が原因で起こる様々な疾患や障害を改善することを目的に行います。
筋膜について
筋膜は器官、神経、筋および骨のすべてを覆っており、一つの構造と他の構造を隔てると同時に体全体を結合しています。
例えば、筋肉と骨は隣り合ってはいますが、その間に膜が存在します。骨膜・筋膜以外にも腹膜・心膜などありますが、どれも同じもので、膜がある場所によって呼び名が変わっています。
その膜は各臓器・筋肉や骨を隔てているのですが、繋がっているのです。
ですから、筋膜は、単一の筋肉を包むだけではなく、関連する筋肉と繋がっていますので、一部が損傷したり癒着が進むと関連する部位に影響が出ます。
筋膜の癒着について
筋膜は主にマトリクスとコラーゲン、エラスチンというタンパク質で構成されています。
正常な状態ではこれらのタンパク質は、筋膜に強度と柔軟性を与え、組織同士の栄養素のやり取りをスムーズに行います。
しかし、長時間、筋肉に動きが無い場合、タンパク質同士が結合することで筋膜は厚みを増し、癒着と呼ばれる症状が起こって、筋肉に機能障害が起こってしまいます。
少し専門的に説明すると(斜字は読み飛ばしてもOKです)
- マトリクスは、筋膜に流動性を与えるゲル状の物質で、細胞を支えたり、細胞への栄養の吸収と身体にできた毒素と代謝産物の除去を促進させています。運動する、あたためる、水分補給を行うことでマトリクスは液状に変化するので、筋が流動的になり自由に動くことが出来ます。逆に運動不足や冷え、脱水は、マトリクスの粘稠性(粘りっこさ)を増加させ、筋膜が厚くなって自由に動くことが出来なくなる原因になります。
- コラーゲンは線維を形成することが出来るタンパク質で、筋膜に強度と弾性を与えています。しかし、コラーゲンは容易に結合するので、機能障害が始まるとコラーゲンが癒着の発生に重要な役割を果たしてしまいます。
- エラスチンは線維状のタンパク質でコラーゲン同士を結び付けて網目状に構成する働きをしていて、筋膜に柔軟性と伸縮性を与えます。しかし、機能障害になると柔軟性と伸縮性がなくなるので、筋膜が伸びて元に戻るということが難しくなります。
つまり、筋膜は伸びると流動性を失って固くなり、水分量が減って癒着することになります。また、筋膜が固くなるという事は、マトリクスの粘稠性が増し、その結果、物質交換の効率が低下し、栄養素の取り込みは抑制され、代謝産物や毒素は局所に蓄積しやすくなります。これが様々な痛みの原因になってきます。
このように筋肉に動きが少ないと筋膜の癒着は起こります。
この状態は、デスクワークなど長時間同じ姿勢の維持、骨折やねん挫などの急性外傷などがあげられます。
一方で、運動による反復動作によっても筋肉そのものの動きが悪くなりますので、筋膜の癒着が起こります。
このことから、運動している、していないに関係なく、全ての人に筋膜の癒着は起こり、これを放置しておくと、何かしらの障害の原因になりうると考えられています。
では、筋膜が癒着したままだと、どうなるの?
筋膜の癒着によって、栄養素の取り込みは抑制され、代謝産物や毒素は局所に蓄積しやすくなるので、その部分にコリが出来、痛みが発生します。
また、筋膜は先ほども話をしたように、身体の中で繋がっています。
繋がっているものが一部分でも癒着していると、そこに引っ張られてくるところが出てきます。
洋服をイメージしてください。洋服の裾が引っ張られている状態で腕をあげようとすると、上がりはするものの、上げにくいですよね?
上げにくいままにしておくと、腕を上げる筋肉に負担がかかります。
そうすると、洋服の裾を(腰)と見立てて、腕を挙げる筋肉を肩だとすると、
腰のせいで肩に負担がかかり、肩の筋肉が痛くなってきて、肩が上がらなくなってしまう。。。
動作制限がかかってきます。
動作制限となると、スムーズな動きを妨げ、四十肩などの原因となったりします。
さらに、スポーツを行う人にとっては、筋膜の癒着による動作制限があるなかでトレーニングをしても、
期待した効果が得られないかもしれません(トレーニングが無意味ということではない)。
また、本番でも力を発揮することなく終えてしまうこともあります。
筋膜の癒着をはがすには?
筋膜を構成するタンパク質(マトリクス)は、運動する、あたためる、水分補給を行うと、粘稠性を減少させることが出来ます。これは、ペンキやケチャップのように、一度固まってしまったものを「かき混ぜ」たり「振動」させたり「温め」たり「水分補給」をすると液状化することと似ています。
これを筋膜の癒着をはがす(=正しい状態に戻す)とされています。
具体的な方法としては、以下の方法が挙げられます。
- マッサージでコリなどを見つけ揉捻
- ストレッチで短縮した筋肉を伸ばし、周りの筋膜への動きの改善
- 専用の器具を用いた専門の治療院での筋膜リリース
- 道具を使ったセルフケア
これらのうち、より効果的に筋膜の癒着を正しい状態に戻すため、当店では専用器具を用いた筋膜リリースを行います。
当店の筋膜リリースについては、次回お話しします。
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